[2000.12.09]
  赤いケーブルの魔法


 ▼九州電力、電力線によるネット接続実験(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/1208/kyuden.htm


 ふと気付くと,すべての人が,赤いケーブルを胸元から発している。ふと見ると,地球上のすべての人が,その赤いケーブルを携えている。絶え間なく,太陽のフレアにも似た感情のパルスをそのケーブルに乗せて。

 九州電力は,低圧配電線を利用して,1Mbpsのインターネット接続サービスを提供する実験を12月から実施する。来年3月まで試験提供し,事業化を検討する。

 IPは実は結構応用力があり,いわゆる伝線であれば,いろいろなものに乗せることができる。電話線はもちろん,ケーブルテレビケーブル,光ケーブルなどの鋼線,無線のいろいろな周波数帯でも利用できるし,はたまた拡散を防いだ水を伝達体としたりもできる(実用にはほど遠いが)。もともとを考えれば,インターネットを電話線で行うのは,非常に“まれ”な方法なのだ(非効率極まりないことだし)。電線はほぼすべての家庭に引かれており,それを利用するというのは手っ取り早い。だが,電線はノイズが生じやすく一般的な利用は難しいとされていたが,そのノイズを除去する技術が開発され始め,九州電力のもその一端だろう。

 さて,私たちはなにでつながっているのかと,ふとケーブルを辿っていく。モジュラージャックが突き刺さる壁にぶつかって,その先に想いを馳せる。街中にはあまり電線が見当たらなくなった。おおむね地中に埋め込まれたのだろうが,そんな線だけですむわけがないな,と感じなくもない。ふと,自分の胸元から一本の赤いケーブルが何処へか繋がっているのに気付く。静電気に似たパルスを発しながら,その赤いケーブルは,はるかな海を越え,見知らぬ街を通り,人の住まぬ空想の丘を通りすぎていく。地の果てよりも遠くまで続く赤いケーブル,彼の人のもとまで,まだ見ぬ彼女のもとまで,このケーブルは地球に住む,いや宇宙のすむすべての者に繋がっている。…想いは,このケーブルを跳ね駆ける。


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